2016/03/25

信号なし横断歩道前での一旦停止義務

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交差点ではない、信号がない横断歩道がある場合に、自転車を含む車両はどう対応すればよいでしょうか。

道路交通法には次の規定があります。強調部は筆者。赤線部はいわゆる「条件」、黄色は「効果」にあたるところです。

(横断歩道等における歩行者等の優先)
第三十八条  車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
2  車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
3  車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(軽車両を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。
(罰則 第百十九条第一項第二号、同条第二項)
一見するとよくわからないのですが、最近出会ったのが、この条文について専門に情報提供をしてくれるTwアカウント。

こちらの図で整理されているのが非常に分かりやすいと思います。

ただ、多くの方が実感されていると思いますが、このルール、日本ではなかなか守られていない印象があります。




こちらは、道路交通法について広く解説されている公益社団法人自転車道路交通法研究会せがわ和尚さんの投稿。

UKではどうなん

これに対し、私が暮らすUKでは、これもまた私の印象ですが、一部の人を除き、かなりきちんと守られている印象があります。

先日のライド中に撮影したのがこれ。

前が詰まっていたのも1つの理由ではあるとは思いますが、歩行者が横断歩道で立ち止まる前から減速し、きちんと停止しています。こういう方が多数であるように思えます。

「黄色いピンポン」の意味

さて、この動画を公開したところ、UK暮らしをされている/暮らしの経験があると思われる方複数から、「黄色いピンポン」の前では一時停止義務がある、これを守っているんだ、というコメントを頂きました。

ご指摘の通り、UKでは、信号がない横断歩道(ゼブラ)の箇所には、このような黄色い玉のついたポールが存在します。

ただ、実は、法文上は、「黄色いピンポン」だから特別の一時停止義務があるわけではなく

「信号のない交差点で横断歩道のそばに歩行者がいるときには一時停止」

という、日本と基本的には同一の内容になっています。
Rule 195
Zebra crossings. As you approach a zebra crossing
  • look out for pedestrians waiting to cross and be ready to slow down or stop to let them cross
  • you MUST give way when a pedestrian has moved onto a crossing
  • allow more time for stopping on wet or icy roads
  • do not wave or use your horn to invite pedestrians across; this could be dangerous if another vehicle is approaching
  • be aware of pedestrians approaching from the side of the crossing.
A zebra crossing with a central island is two separate crossings (see ‘Crossings’).
Law ZPPPCRGD reg 25
これはUKのHighway Codeというもので、法令やガイドラインをわかりやすくまとめた一般向けのルール集です。実はこれ自体は形式的な意味での法律ではないのですが、一部は、法令として強制力をもつものとして制定されたものもあります。ここでは「must」の部分がそれ。

Precedence of pedestrians over vehicles at Zebra crossings
25.—(1) Every pedestrian, if he is on the carriageway within the limits of a Zebra crossing, which is not for the time being controlled by a constable in uniform or traffic warden, before any part of a vehicle has entered those limits, shall have precedence within those limits over that vehicle and the driver of the vehicle shall accord such precedence to any such pedestrian.
(2) Where there is a refuge for pedestrians or central reservation on a Zebra crossing, the parts of the crossing situated on each side of the refuge for pedestrians or central reservation shall, for the purposes of this regulation, be treated as separate crossings.
実際の法令はこういう風になってて、ここにも信号のないZebra crossings(横断歩道)の規定となっています。

もっとも、このような複数の方からコメントを頂いたように、そして私も何人かに聞いて確認したのですが、UKでは、交通ルールの教え方として、このように「ゼブラで一時停止」ではなく、「ピンポンで一時停止」と習っているようなのです。

おもしろいですね。

このピンポン、ご覧になれば分かるとおり、黄色信号を想起させます。

単に横断歩道のペイントより、注意を払わなくてはならない、というのがより直感的に感じやすいのではないか。

なるほどよいデザインだな、と思ったのでした。

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