2015/11/04

電動アシスト自転車の型式認定は義務ではないが、無認定のを買うのは危ないよという話

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ドイツのスポーツタイプe-bike おそらく日本の型式認定は通らない・・・かな?

電動アシスト自転車について、
  • 型式認定が必要であり
  • それがない自転車は公道を走ることができない
  • 型式認定がない自転車を販売している店舗がある
  • そこで購入した自転車で公道走行するのは違法
という記述をしばしば目にします。

現時点でWebで見つかるものとしては、
電動アシストの違法性|富士見市 みずほ台駅、鶴瀬駅の自転車屋リングジャパン



2chの過去ログとか。
【電動自転車】電動アシスト自転車どれがいい? 62台




しかし、少なくとも2015年11月時点では、これらの記載は誤りです。
型式認定がないことにより、直ちに当該自転車による公道走行が違法になることはありません。

将来どうなるかは分かりません。

道路交通法における電動アシスト自転車の位置づけ

道路交通法2条で、同法における「自転車」の定義が置かれています。

十一の二  自転車 ペダル又はハンド・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車(レールにより運転する車を除く。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの(人の力を補うため原動機を用いるものであつて、内閣府令で定める基準に該当するものを含む。)をいう。
電動アシスト自転車は、この条文のなかの
人の力を補うため原動機を用いるものであつて、内閣府令で定める基準に該当するもの
にあたり、道路交通法上、自転車として扱われることになります。

この規定を受けて、内閣府令である道路交通法施行規則は、次の通りの基準を置いています。
(人の力を補うため原動機を用いる自転車の基準)
第一条の三  法第二条第一項第十一号の二 の内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
一  人の力を補うために用いる原動機が次のいずれにも該当するものであること。
イ 電動機であること。
ロ 二十四キロメートル毎時未満の速度で自転車を走行させることとなる場合において、人の力に対する原動機を用いて人の力を補う力の比率が、(1)又は(2)に掲げる速度の区分に応じそれぞれ(1)又は(2)に定める数値以下であること。
(1) 十キロメートル毎時未満の速度 二
(2) 十キロメートル毎時以上二十四キロメートル毎時未満の速度 走行速度をキロメートル毎時で表した数値から十を減じて得た数値を七で除したものを二から減じた数値
ハ 二十四キロメートル毎時以上の速度で自転車を走行させることとなる場合において、原動機を用いて人の力を補う力が加わらないこと。
ニ イからハまでのいずれにも該当する原動機についてイからハまでのいずれかに該当しないものに改造することが容易でない構造であること。
二  原動機を用いて人の力を補う機能が円滑に働き、かつ、当該機能が働くことにより安全な運転の確保に支障が生じるおそれがないこと。
この基準に該当すれば、自転車となり、自転車のルールが適用されますが、そうでない場合は、原動機付自転車として自転車とは異なる様々なルールが適用されることになります。

そもそも電動アシスト自転車の型式認定制度って何だ?

以上の基準に適合すれば、自転車として公道走行可能。

もっとも、実際に適合するかどうかは、モノをみてみないと分かりません。

電動アシストの型式認定 = 任意の事前認定制度

この基準への適合性を事前に認定する制度が、型式認定制度です。

道路交通法施行規則には次の通り定められています。
(39条の2が準用されているので、順番を変えて記載しています)
(人の力を補うため原動機を用いる自転車の型式認定)
第三十九条の三  人の力を補うため原動機を用いる自転車(以下「駆動補助機付自転車」という。)の製作又は販売を業とする者は、その製作し、又は販売する駆動補助機付自転車の型式について国家公安委員会の認定を受けることができる。
2  前項の認定は、駆動補助機付自転車が第一条の三に定める基準に該当するものであるかどうかを判定することによつて行う。
3  前条第三項から第八項までの規定は、第一項の認定について準用する。この場合において、「原動機を用いる歩行補助車等」とあるのは、「駆動補助機付自転車」と読み替えるものとする。
(原動機を用いる歩行補助車等の型式認定)
第三十九条の二  原動機を用いる歩行補助車等の製作又は販売を業とする者は、その製作し、又は販売する原動機を用いる歩行補助車等の型式について国家公安委員会の認定を受けることができる。
2  前項の認定は、原動機を用いる歩行補助車等が第一条に定める基準に適合するものであるかどうかを判定することによつて行う。
3  第一項の認定を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国家公安委員会に提出し、かつ、当該型式の原動機を用いる歩行補助車等を提示しなければならない。
一  申請者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名及び住所
二  原動機を用いる歩行補助車等の名称及び型式
三  製作工場の名称及び所在地
4  前項の申請書には、次に掲げる事項を記載した書類を添付しなければならない。
一  諸元、外観等当該型式の内容に関する事項
二  製作方法、検査方法等当該型式の原動機を用いる歩行補助車等の製作における均一性を明らかにする事項
三  第一項の認定に必要な当該型式についての試験を行うのに必要かつ適切な組織及び能力を有する法人として国家公安委員会が指定したものが行う当該型式についての試験の結果及びその意見
5  国家公安委員会は、第一項の認定をしたときは、当該認定に係る型式認定番号を指定する。
6  第一項の認定を受けた者は、当該型式の原動機を用いる歩行補助車等に前項の規定により指定を受けた型式認定番号を表示するものとする。
7  第一項の認定を受けた者は、次に掲げる場合においては、速やかにその旨を国家公安委員会に届け出るものとする。
一  第三項各号に掲げる事項に変更があつたとき。
二  当該型式の原動機を用いる歩行補助車等の製作又は販売をやめたとき。
三  当該型式の原動機を用いる歩行補助車等の製作における均一性を確保できない事情が生じたとき。
8  国家公安委員会は、次の各号のいずれかに該当する場合は、第一項の認定を取り消すものとする。
一  当該型式の原動機を用いる歩行補助車等の製作における均一性が確保されていないと認められるとき。
二  第一項の認定を受けた者が虚偽の型式認定番号の表示をしたとき。
公益財団法人 日本交通管理技術協会




認定を行っている機関のページに認定を受ける方法が具体的に説明されています。

実際に何が認定されているかについては官報に公告されています。
手っ取り早く「普通自転車の型式認定番号を指定した件」でGoogle検索すると確認することができます。

型式認定は義務ではない

このように、道路交通法施行規則に定めがある型式認定制度ですが、これは、あくまで「認定を受けることができる」という規定。認定を受けることが義務になっているわけではありません。

したがって、この認定がなくても、実際の自転車が基準に適合してさえいえれば、道路交通法の上では問題は生じません。

逆に、この認定を受けていたとしても、認定に誤りがあり、あるいは改造等を経て、結果として道路交通法に適合していなければ、道路交通法上の自転車には該当しない。

疑義が生じた場合には、一次的には警察がこれを判断し、最終的には裁判所マターとなります。

いずれにせよ、型式認定の有無が公道走行の適法違法を直接左右するわけではありません。

型式認定あり→公道走行OKという事前確認済み ー しかし裏が正しいとは限らない

型式認定制度は、当該電動アシスト自転車が道路交通法に適合し、公道走行をしてよいという情報を事前にCertifyすることで消費者の選択に資するものです。

しかし、これはあくまで任意のものであり、これがないことが直ちに道路交通法に適合しないことにはなりません。

裏は真ならず。

型式認定がないことは、直ちに公道走行ができないことを示すものではありません。

だけど、型式認定がない製品を買うのはとってもリスキー

しかし、型式認定がないということは、その安全性・適法性の「お墨付き」がないということ。このリスクは、購入者が負うことになります。

勿論、後で販売者への責任追及の余地はありますが・・・

安全性を欠く自転車をつかまされる、道路交通法違反で摘発されるリスクのみならず、交通事故が発生した際に、責任を重くする要素として働くことも考えられます。

いずれにせよ、電動アシスト自転車を選ぶ際には、型式認定がない商品は購入するのはリスキー。購入時には、この有無を販売店にきちんと確認して購入することをお勧めします。

3 件のコメント:

  1. 元々この記事を書いたのは、ある信頼性高い団体の出版物に型式認定は義務とあったことから、本当かな?と調べたのが動機です。

    もっとも、事実の問題として、日本の電動アシストの基準が「踏む力に応じたアシスト」という高度なことを要求しており、型式認定がない輸入品は、おそらくこのような要求は満たしていないという推測は強く働くのではないかと思います。

    そういう意味で、実際の判断として型式認定の有無は決定的に重要であることを否定する趣旨ではありません。

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  2. この記事を書いてくれてありがとうございます。日本のガジェット系のサイトなどでバンバン海外の電動アシストを掲載しているくせに最後に型式認定がないから日本では乗れませんと必ず書いてます。んじゃ最初からそんな記事載せんじゃねーよ!って思うんですがね。で調べて見たら電動自転車には2種類あって一つは電動スロットルでもう一つがペダルアシストシステムPASです。電動スロットルは原動機付き扱いになるのはわかりますが25キロまで電力をサポートする電動アシストのみのコンバージョンキットであれば現行の日本のママチャリに乗ってるアシストとなんら変わりません。そこで私はヨーロッパ(中華製ではない)から電動アシストのみのコンバージョンキットを取り寄せることにしました。今まではずーっと日本のナンセンスな型式認定されたもののみしか公道を走れないと勘違いしてました。要は自己責任でってことですね。私は海外のコンバージョンキットで現行の自転車をEBikeにします。そして公道を走ります!!!

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    1. 自己責任でお願いします!踏む力によってアシストの程度が異なるって規制になっているので、25キロまで一定のワット数を加える場合はヤバそうな気がします。

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