2015/08/11

飛行機輪行まとめ CO2インフレーターその他の持ち込み可能物品や、破損の場合の賠償について

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検索でこのブログにたどり着かれる方は多くはないのですが、その少ない(=有り難い)中で、飛行機輪行に際してのCO2インフレーター(ボンベ)に関するルールを調べられる方が結構いらっしゃいます。

#aminocyclo: #ainocyclo 2013.12 訂正&補足「CO2インフレーターは飛行機に持ち込み可なのか?」→「可です」

この記事ですね。
#ainocycloって何でしょうね(^^ゞ

元々、2013年の冬コミで発表した輪行本に、CO2インフレーターを始めとする持ち込み不可の物品をリストアップしたところ、制度変更により持ち込みが可能になったというのがその内容でした。

COMIC ZIN 通信販売/商品詳細 #aminocyclo 2013.12




上記輪行本ですが、既に委託先の在庫も無く、また発行から2年が経過しようとしています。

そこで、情報のアップデートを兼ねて、現在のルールについて簡単にまとめてみようと思います。

基本的な考え方

ルールは航空会社の約款に書かれている

飛行機に限らず、鉄道・バス等の利用についてのルールは、会社が定めた約款(やっかん)に書かれています。

もっとも、この内容は無味乾燥で読みにくい場合が多いので、多くのメジャーな航空会社は分かりやすく書き下した説明文を用意してます。

ただし、会社によっては、必ずしも説明文が用意されていない場合もありますし、また、内容に不明な点が生じた場合には、説明文ではなくこの約款こそがルールの内容として参照されます。

そこで、場合によっては、これを読み込む必要が生じます。

安全性に関するルールは万国共通

輪行のルールには、大きく分けて、
  • 重量、サイズといった、経済性に関わる問題
  • 持ち込み可能物といった航空機の運航の安全に関わる問題
を規律するものがあります。

このうち、運航の安全に関するルールは、会社間でほぼ異ならないのが実態です。

というのも、民間航空機の安全性等に関するルールは、国際民間航空機関 - ICAO - という組織で国際的に協議して決定されており、日本国内でも、国土交通省がそれに則ったルール作りを各社に求めているからです。

国土交通省が開示している持ち込み制限物品リストについては末尾をご覧下さい。

国際組織ですので、海外の航空会社についても、基本的にこの点のルールは同じと考えてよいと思います。もっとも、申し訳ありませんが、全部調べた訳ではありませんので、各航空会社にご確認下さい。

以下では、断り無い限り、国内線を前提にご説明します。

具体例 - JAL (日本航空)を例に

それでは、具体的なルールを見ていくことにしましょう。
ここでは、JALを取り上げますが、上に述べた理由で、安全性に関するルールは少なくとも国内航空会社では同じと考えてよいと思います。

また、他の航空会社でも同様の解説ページがあると思いますので、そちらをご覧頂ければと思います。

JAL - 自転車は預けることができますか。




JALにはこのように詳細な説明が載っています。抑えるべきポイントは次の通り。

  • 50cm×60cm×120cmに収まるサイズ
  • ファーストクラス以外は、他の荷物と併せて20kg以内。ファーストクラスの場合45kmg以内。
    これを超える場合超過料金が必要。
  • 運送中の避けられない振動等によって生じた傷は責任を負わない。
    • 問い合わせたところ、手荷物の積み卸しの通常のオペレーションに伴う傷も同様と考えているという回答を2014年に得ています。
    • これに関連し、手荷物として預ける際に、免責のサインを求められます。
      上記2014年の回答によれば、この免責とは、自転車だからあらゆる損害を賠償しないという意味ではなく、上記の例のような運送中の避けられない事態に起因する損害は賠償しないという趣旨ということ。

易損品の免責同意(2013年)


Di2のバッテリは飛行機に積めないの巻 :: SUPER BLOG.JP
    • 実際に体験された方のブログ。推測ですが、この種の製品にはショート防止機構がついているのが一般。取り外しさえすれば、鞄に入れるだけで大丈夫なのではないかと思います。
    • CO2インフレーターは、1個あたりのCO2容量が28g以下のものに限り、4個まで持ち込み可。
    また、ここには記載されていませんが、自転車乗りが引っかかりやすい制限事項として、次のものが挙げられます。
    • チェーンオイル/パンク修理用のゴム糊
      • 揮発して引火する可能性があるということです。
      • 2014年時点、羽田空港ではこの点を個別に確認されました。サドルバッグやツールボトルに入れたまま、輪行袋の奥深くにしまい込んであると、これを確認するため一度開梱する必要が生じます。サドルバッグ、ツールボトルは事前に外しておきましょう。
      • その他の空港では個別に内容物まで確認された記憶がありません。

    預けた後に破損した場合

    賠償を受けられない場合

    JAL国内線 - お手荷物の不具合について(破損・紛失・忘れ物)




    上でも説明しましたが、運送中に通常生じる振動等による傷は賠償に応じて貰えません。

    ここでは、
    固有の欠陥、または性質から生じたものである場合
    という少し異なる言葉遣いになっていますが、要するに、通常の振動や持ち運びで傷が付いちゃうような性質を有するいわゆる「易損品」については、賠償しませんという趣旨ということです。

    賠償を受けられる場合

    では、このような原因ではなく、完全に航空会社側のミス - 例えば車で轢いてしまった - 等の場合はどうなるでしょうか。

    この場合は、賠償を受けられることになりますが、その金額には、何もしない限り15万円の上限が設定されています。いくら高額なフレームでも、15万円の賠償しか受けられません。

    破損が航空会社のミスによって生じたことの証明が必要

    飛行機輪行に限らない話ですが、損害賠償を求める場合には、その破損(損害)が航空会社のミスによって生じたことを利用者サイドが証明する必要があります。

    JALのホームページには、次の記載があります。
    お預けいただいたお手荷物に破損が生じた場合は、手荷物お引き取り後、直ちに到着地の空港係員にお知らせください。お手荷物の破損が、航空会社の管理下で生じたことを確認できない場合には、賠償の責に応じられませんので、ご了承ください。
    厳密には、約款のルールでは、直ちに知らせなければ賠償に応じないとまでは言っていない(後述)のですが、一度受け取ってしまうと、この証明は簡単ではない。任意に航空会社が応じなければ、裁判手続を通じて争う必要が出てきます。

    到着後に直ちに内容物をチェックし、問題があれば申告しましょう。

    従価料金の活用で損害賠償額の上限を外してもらえる

    賠償の上限15万円を回避するための制度として、「従価料金」という制度があります。これは、預けた荷物の価値を申告し、その価値に応じた追加料金を払うことで、損害賠償の上限額を引き上げるものです。

    例えば、ほぼ新品に近いロードバイクの価値を30万円と見積もってその金額の申告を行い、追加料金を支払ったところ、航空会社のミスによって完全に破損した場合は、損害賠償額はほぼ30万円に近いと見込まれます。

    何も申告していなければ15万円の賠償しか受けられませんが、この申告によって、30万円の賠償を受けることが可能になります。

    もっとも、これが中古であった場合には、ちょっと微妙です。というのも、全損とはいえ、30万円全てが損害といえなさそうだからです。

    同様に、たとえ高い金額を申告しても、その金額分だけ賠償してもらえるわけではありません。30万円のロードバイクが100万円になることはありません。当たり前ですね。

    ホームページでは次の通り説明されています。
    JAL国内線 - お預けの手荷物



    価額申告のないお手荷物および身の回り品についての賠償限度額は、お一人様15万円までです。 実際の価額が15万円を超える場合は、15万円を超える額につき1万円ごとに10円の従価料金をお支払いいただいた場合に限り、申告価額を賠償限度額といたします。 ただし、賠償金額は実際の価額を超えることはありません。なお本制度は会社有責時のみ適用されますので、保険制度と異なる点にご注意ください。

    追加料金の計算は、
    15万円を超える額につき1万円ごとに10円
    ということですので、例えば30万円であれば、15×10円の150円。

    この料金を申告したことにより、取扱いが丁寧になったという話も聞きますので、お守りとしては悪くないと思います。

    おまけ・根拠規定

    以上がルールの内容ですが、念のため、以下に根拠規定となる約款の内容を記載しておきます。


    JAL国内線 - 国内旅客運送約款





    第29条 手荷物の検査等
    1. 航空保安上(航空機の不法な奪取、管理又は破壊の行為の防止を含みます。)その他の事由により会社が必要と認めた場合は、本人又は第三者の立合いを求めて開披点検その他の方法により手荷物の検査をすることがあります。
    2. 航空機の不法な奪取、管理又は破壊の行為の防止のため会社が必要と認めた場合は、旅客の着衣又は着具の上からの接触又は金属探知機器等の使用により、旅客が装着する物品の検査をすることがあります。
    3. 会社は、旅客が前第1項の検査に応じない場合には、当該手荷物の搭載を拒絶することがあります。
    4. 会社は、旅客が前第2項の検査に応じない場合には、当該旅客の搭乗を拒絶することがあります。
    45 会社は、前第1項又は第2項の検査の結果として第33条に定める手荷物の禁止制限品目に該当するものが発見された場合には、これらの物の持込み若しくは搭載を拒絶し、又は必要な処分をすることがあります。
    この規定により、例えばサドルバッグ等の検査に応じない場合には、搭載拒否、搭乗拒否があり得ます。
    第33条 手荷物の禁止制限品目
    1. 次に掲げるものは手荷物として認めません。ただし、会社が承諾した場合は、この限りではありません。
    (1) 航空機、人員又は搭載物に危険又は迷惑を及ぼすおそれのあるもの
    (2) 銃砲刀剣類等及び爆発物その他の発火又は引火しやすいもの
    (3) 腐蝕性薬品及び適当な容器に入れてない液体
    (4) 動物
    (5) 遺体
    (6) 法令又は官公署の要求により航空機への搭載又は移動を禁止されたもの
    (7) 容積、重量又は個数について会社が別に定める限度を超えるもの
    (8) 荷造又は包装が不完全なもの
    (9) 変質、消耗又は破損しやすいもの
    (10) その他会社が手荷物として運送に不適当と判断するもの
    2. 次に掲げるものは、持込手荷物として認めません。
    (1) 刃物類
    (2) 銃砲刀剣類等類似品及び爆発物類似品(ピストル型ライター、手榴弾型ライター等)
    (3) その他会社が凶器となり得ると判断するもの(バット、ゴルフクラブ、アイススケート靴等)
    具体的内容については、ICAOで話し合われて決められています。国内の規制も同様となっています。
    第35条 無料手荷物許容量
    1. 受託手荷物は、身体障がい旅客が自身で使用する車椅子を除いて、20キログラムまで無料とします。ただし、ファーストクラスの旅客については、45キログラムまで無料といたします。持込手荷物については10キログラムを限度とし、無料とします。
    2. 座席を使用しない幼児については、前項に規定する無料手荷物許容量の適用はありません。
    第36条 受託手荷物
    受託手荷物は、旅客1人につき100キログラムまでとします。また、会社が別に定めるものを除き、1個あたりの重量は32キログラムまでとし、容積は、1個につき50cm×60cm×120cm以内のものに限ります。これらの制限を超える場合は、手荷物としてお預かりできません。

    第39条 超過手荷物料金
    第35条に規定された無料受託手荷物許容量を超過した受託手荷物に対しては、超過手荷物料金を申し受け、超過手荷物切符を発行します。
    超過手荷物料金については、会社が別に定めるところによります。 
    手荷物のサイズおよび超過手荷物料金に関するルールです。
    超過手荷物料金を払っても100kgを超える荷物は預けられません。 
    第41条 従価料金
    手荷物及び旅客が装着する物品の価額の合計が15万円を超える場合には、旅客はその価額を申告することができます。この場合には、会社は、従価料金として、申告価額の15万円を超える部分について1万円毎に10円を申し受けます。
    従価料金の規定です。
    第43条 会社の責任
    2. 会社は、受託手荷物その他の会社が保管を受託した旅客の物の破壊、滅失、紛失又は毀損の場合に発生する損害については、その損害の原因となった事故又は事件が、その手荷物又は物が会社の管理下にあった期間に生じたものであるときは、賠償の責に任じます。
    3. 会社は、本条第1項及び第2項の損害について、会社及びその使用人(本章において使用人とは、被用者、代理人、請負人等の履行補助者をいいます。)がその損害を防止するため必要な措置をとったこと又はその措置をとることができなかったことを証明したときは、賠償の責に任じません。
    4. 会社は、持込手荷物その他の旅客が携行し又は装着する物の破壊、滅失、紛失又は毀損の場合に発生する損害については、会社又はその使用人に過失があったことを証明された場合にのみ、賠償の責に任じます。
    5. 会社は、法令及び官公署の要求、航空保安上の要求(航空機の不法な奪取、管理又は破壊の行為の防止を含みます。)、悪天候、不可抗力、争議行為、騒擾、動乱、戦争、その他の会社のいずれかに生じたやむを得ぬ事由により、予告なく、航空機の運航時刻の変更、欠航、休航、運航の中止、発着地の変更、緊急着陸、旅客の搭乗制限、手荷物の全部又は一部の取卸しその他の必要な措置をとることがありますが、当該措置をとったことにより生じた損害については、本条第1項、第2項、第3項及び第4項により会社が責任を負う場合を除き、会社は、これを賠償する責に任じません。
    第44条 手荷物固有の欠陥等による免責
    会社は、受託手荷物その他の会社が保管を受託した旅客の物の破壊、滅失、紛失又は毀損の場合に発生する損害が、その手荷物又は物の固有の欠陥、品質又は瑕疵の原因のみから生じたものであるときは、賠償の責に任じません。 
    損害賠償の原則的な要件と、易損品免責に関する規定です。
    第47条 会社の責任限度額
    1. 手荷物運送における会社の責任は、旅客1名につき総額金150,000円の額を限度とします。ただし、旅客が運送の開始前に当該手荷物につきそれ以上の価額を申告し、且つ、第41条の規定に従って従価料金を支払った場合は、当該申告価額を会社の責任限度としますが、この場合においても、会社の責任は、当該手荷物の実際の価額を超えることはありません。
    2. 前項にいう「手荷物」とは、受託手荷物その他の会社が保管を受託した旅客の物及び持込手荷物その他の旅客が携行し又は装着する物のすべてを含みます。
    15万円の責任限度額に関する規定です。
    第48条 手荷物に係る賠償請求期間
    1. 旅客が異議を述べないで受託手荷物その他の会社が保管を受託した旅客の物を受け取ったときは、その手荷物又は物は、良好な状態で引き渡されたものと推定します。
    2. 受託手荷物その他の会社が保管を受託した旅客の物の損害に関する通知は、受け取った手荷物又は物については、その受取りの日から7日以内に、引渡しがない場合は、受け取る筈であった日から21日以内に、それぞれ文書によりしなければなりません。
    3. 本条第2項に定める期間内に通知をしなかったときは、会社は、賠償の責に任じません。
    損害賠償を請求する際に、受け取りから7日以内に通知をしなければ賠償に応じないという内容です。直ちに申告する必要まではありませんが、異議を述べなければ、良好な状態で引き渡されたと推定されてしまいます。もっとも、航空会社のミスで破損が生じたという立証自体は常に必要です。

    航空:機内持込・お預け手荷物における危険物について - 国土交通省



    ICAOが定めた内容に準拠した国土交通省の持ち込み制限物品リスト。各航空会社もこれに従っています。

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