2015/07/29

「傘固定器具」による傘差しは車体の一部にならないというのが警視庁(東京)の見解

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警視庁に聞いてみた

傘固定器具の問題点 のフォローアップです。

傘固定器具で固定された傘は車体なのか積載物なのか。どうもはっきりしなかったので、警視庁に聞いてみました。
警視庁交通相談コーナー TEL 03-3593-0941(平日のみ/8:30~17:15)
質問事項は、

  • http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/bicyclette/jmp/bicyclette.pdf
    このパンフレットを読んだ。14頁には、固定装置に取り付けられた傘は、積載装置に載せられる積載物であるという記載がある。
  • 警察は、この固定装置を通じて繋いだ傘の部分は、歩道通行の規定(道路交通法63条の3及び63条の4)の適用を左右する普通自転車のサイズ(道路交通法施行規則9条の2)とは無関係と考えているのか。
  • 敷衍すると、例えば自転車に様々なアタッチメントを介してパーツを付けた場合、それは車体の一部とは考えないことになるのか。
これに対する回答
  • 傘は積載物という理解。積載物の規定の適用があるほか、傘差しの場合の安全運転義務の問題が生じる。
  • 傘が車体と一体化しているとは考えられない。
  • アタッチメントを介して繋ぐ場合も同様(一体ではない)と考えられる。
  • 車体のサイズにかかわる普通自転車の規定の適用は別だと考えている。
という内容。ありがとうございます。

Discussion

本当は
  • ボルトを介して繋いだらどうか、コードを介してがっちり固定したらどうか
  • そもそも本体の効用を向上させるものなのに、積載物として考えるのか
という疑問もありましたが、先方もお忙しいでしょうから、そこは飲み込んで打ち切りました。

回答からは、警察はこの「一体」という要件をかなり厳密に見ていることが理解できます。

積載物の基準は一見厳しいけど、積載装置のサイズ次第

サイズだけ見ると、積載物の基準は一見とても厳しい。東京では、
積載物の長さ及び幅の限度は、 それぞれの積載装置の長さ又は幅に、0.3メートルを加えた長さ及び幅を超えないこと (上記警視庁パンフレット
と定められています。

これに対し、普通自転車の幅は、60センチメートルを超えないこととされています。
道路交通法施行規則
(普通自転車の大きさ等)
第九条の二  法第六十三条の三 の内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
一  車体の大きさは、次に掲げる長さ及び幅を超えないこと。
イ 長さ 百九十センチメートル
ロ 幅 六十センチメートル
二  車体の構造は、次に掲げるものであること。
イ 側車を付していないこと。
ロ 一の運転者席以外の乗車装置(幼児用座席を除く。)を備えていないこと。
ハ 制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること。
ニ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。
積載物の基準に関して言えば、例えば一辺のサイズが10cmの固定装置に対しては、傘の大きさは40cmまで。積載基準を満たす傘って存在するの?という疑問はあります。

もっとも、固定装置を大きくすれば傘を大きくできることになります。これも不思議。

普通自転車のサイズを規定した理由は歩行者の安全確保にある

普通自転車のサイズを規定した理由は、
歩道を通行させることとする自転車について車体の大きさ及び構造に関する制限を加えて歩行者の通行の安全を確保すること (ジュリスト 669号 28頁 1978年7月15日発行 道路交通法の改正 田中節夫:警察庁交通局企画課)
とされています。

歩道をシェアする歩行者の安全という趣旨からすれば、

  • 固定装置を介しているか一体化しているかで適用されるルールが違う。固定装置を介していれば、その先の傘のサイズ自体は歩道通行の可否には無関係。
  • 固定装置のサイズ次第では、大きな傘であっても、積載の規制に抵触せず搭載できる。
というのは、私自身は疑問が残るところです。固定装置を介そうが介しまいが、積載装置のサイズが大きかろうが小さかろうが、歩行者に与える影響は傘のサイズで決まる。

積載の基準を守ると傘の骨がちょうど目の高さに

前の記事でも申し上げましたが、私は、傘の危険性として、傘の骨の先端が他の歩行者の目の高さにヒットしかねない点が大きいのではないかと考えています。

しかも、傘の骨が他人の顔面にヒットする可能性は、積載の基準を守ることでより高くなります。

というのも、積載の基準は、積載物のサイズについて
高さの限度は、2メートルからその積載をする場所の 高さを減じたものを超えないこと(上記警視庁パンフレット) 
と定めています。要するに、これは、

  • 2m >= 積載場所の高さ + 傘の高さ 
という意味であり、傘の上端は、地上から最大2mに位置することになります。
傘の上端が地上から2 メートルの高さを超える場合は違反 となります。 (上記警視庁パンフレット) 

上記警視庁パンフレットより作成
これを遵守すると、傘の骨の先端部分が歩行者の目の高さに位置することに。

仮に人の目にヒットさせてその人の目を失明させた場合、その損害賠償額は数千万円の規模に達する可能性が十分にあります。

しかも、失明といった傷害は、まともに骨が眼球にヒットした場合、高速走行でなくても-例えば歩道通行でありがちな時速10キロ程度でも-あり得ることです。

まとめ

ここまでの私の議論からお察し頂けると思いますが、私自身は、傘固定器具に対する警察の態度に、他の政策-歩行者防衛のために自転車を車道に下ろす方向性-との温度差を感じています。

社会の実態への配慮であることは理解していますが、傘固定も含めた傘差し運転-敢えて言えば、突起物を目の高さで振り回しながらの運転-については、もう少し厳しい態度で臨んだほうがいいと考えています。

参考までに

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