2015/05/30

自転車の交通違反について「重罰化」される?

このエントリーをはてなブックマークに追加
 
ここ数日、次のようなタイトルの記事を目にするようになりました。

いずれも6月1日に施行される安全講習の内容を紹介するものであり、それ自体は誤りではありません。

気になっているのは、「厳罰」「重罰化」「罰則強化」というフレーズ。

先日の記事で内容に触れましたが、今回導入されるのは一定の危険行為に対する安全講習。罰則が設けられたのは、この不受講に対してであり、個別の行為に罰則が新設された訳ではありません。

むしろ、これら危険行為の多くは、これまでずっと刑罰(赤切符)での対応となっています。ここ数年は取り締まりが強化される傾向にあり、兵庫県だけでも、中高生だけで年間200件以上の赤切符が切られているということ。

来週からグ~ンと厳しくなる「自転車走行処罰」講習受けない違反者は罰金5万円 この記事では、「 実は、これまでも一時不停止や信号無視は、法令上3か月以下の懲役または5万円以下の罰金となっていた。しかし、これで検挙されたという話は聞いたことがない。」というコメントがされていますが、これはとんでもない誤解です。実態は上記リンクの通り。

赤切符を着られた人の全てが罰金刑を受けるわけではありません。しかし、この数字から、相当数の中高生が形式的には「前科」を有する結果となっていることが推測されます。
←(6・3訂正)平成25年度の司法統計を見る限り、未成年者の道路交通法違反による罰金刑は1件のみということです。司法警察員から家裁送致/簡裁送致されて落ちる話と思われます。家裁送致分は司法統計の少年事件編で確認でき、平成25年度は全国で23,000人が道路交通保護事件として家裁送致されています。もっとも、その多くは自動車/バイクにかかる案件でしょう。失礼いたしました。

個人的には、自転車より遙かに公共の危険が大きい自動車については反則金制度が導入されており、自転車については法律上刑罰しか存在しないというのは、アンバランスと考えており、反則金制度の導入は考慮に値すると考えています。

紹介した記事のような「厳罰」「重罰化」「罰則強化」という表現。これらは、あたかも、過去には14行為について罰せられなかったかのような印象を与えます。しかし、これらはこれまでも相応に重い刑罰の対象となっていたのであり、そこに変化はありません。

また、安全講習が法定されたからといって、これらの行為に対して刑罰の適用が排除されるものでもありません。この点で「青切符=反則金」とは全く異なります。

仮にこれらの記事を読んで、「講習さえ受ければOKなんだな」という印象を与えたとすれば、それは大変なミスリーディングのように思えます。

0 件のコメント:

コメントを投稿