2015/05/16

自転車に反則金制度が導入されたというのは初耳(追記有り)

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2015/5/21 その後当該記事において、本エントリ引用箇所を含む複数箇所が誤りとして訂正されていました。筆者の方が適切に対応されたものですが、このような誤解もありうる1つの事例としてご覧下さい。


自転車の取り締まりが強化! 6月1日の道路交通法改正の注意点

という記事を目にしました。
自転車に関する規制が強化されているのは事実です。
しかし、この記事はあまりにミスリーディングに思えるところ、多くのシェアをされている模様。そこで、ちょっとコメントしようと思います。

(引用)
今までは、自転車に乗っていて切符を切られたという話はほとんど聞いたことがないと思います。それはなぜかというと、今まで自転車の違反には青切符(反則金)という制度がなく、赤切符(罰金)しか適用ができなかったからです。
車を運転する方はご存じだと思いますが、赤切符というのは、酒気帯び・危険運転等、かなり悪質な違反に適用になるもので、略式起訴ではありますが裁判所に呼び出されますし、いわゆる「前科」がついてしまいます。
(引用終わり)

ご指摘の通り、自転車に関する交通ルールの違反に対しては、罰金/懲役といった刑罰しか用意されていません。

これを受ければ、「前科」になります。

これに対し、自動車には反則金という制度が導入されています。一定の違反に関しては、反則金を納めれば刑罰を科されない仕組みになっています。

あまり評判の良くない反則金ですが、実は、刑罰を回避する仕組みとして機能しているのです。

さて、この記事で最もミスリーディングに思えるのが、

(引用)
いわゆる“青切符”的な制度が導入される
(引用終わり)

という下りです。

今回導入されたのは、「自転車運転者講習」という制度。(警察庁のリーフレット) 反復する危険行為に対しては、自転車運転者講習の受講を命じ、受講命令に従わない場合には5万円を上限に罰金を科することが可能になります。
(自転車運転者講習の受講命令) 第百八条の三の四
公安委員会は、自転車の運転に関しこの法律若しく はこの法律に基づく命令の規定又はこの法律の規定に基づく処分に違反する行為であつて道路における交通の危険を生じさせるおそれのあるものとして政令で定めるもの(次条において「危険行為」という。 )を反復してした者が、更に自転車を運転することが道路における交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、その者に対し、三月を超えない範囲内で期間を定めて、当該期間内に行われる第百八条の二第一項第十四号に掲げる講習 (次条において「自転車運転者講習」という。)を受けるべき旨を命ずることができる。 (罰則第百二十条第一項第十七号)
第百八条の二
公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる講習を行うものとする。
十四 自転車の運転による交通の危険を防止するための講習
第百二十条
次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
十七 第百八条の三の四(自転車運転者講習の受講命令)の規定によ る公安委員会の命令に従わなかつた者
上記記事は、この講習の受講料を「”青切符 ”的な制度」と表現しています。しかし、このルールはこの講習を受けさえすれば刑罰を科されないという仕組みを導入するものではありません。また、すべての違反がこのルートを通ることを保証するものでもありません。

もっとも、実際上の運用では、この講習を受けれるだけで済み、刑罰を科されない場合が多いと推測されます。しかし、ルールとして罰金刑の適用を排除するものではないのです。

(引用)
違反が摘発されて“青切符”を切られたとしても、1回目の違反で即反則金納付ということにはなりません。3年間のうち2回目の摘発をされた場合に、警察が実施する「安全講習」を受講しなくてはならなくなります(ここで手数料の5700円が徴収されます。これが反則金と同じ位置付けになります)。費用はもちろん、講習は1回3時間で最後にテストまであるというのですから、負担はかなり大きくなります。
この安全講習を受講しないと、事件扱いとなり、裁判所への呼び出しの上5万円以下の罰金が科されます。今でも自動車の青切符を払わずに無視していると、手錠をかけられて逮捕・連行されることもあります。さすがに子供たちに手錠をかけるようなことはしないと思いますが……。

(引用終わり)

このように「青切符」「反則金」という言葉を不用意に用いることは、あたかも罰金刑の可能性がないような誤解を与えるように思えます。

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