2014/05/28

(メモ)自転車事故による後遺障害の損害賠償請求事件

神戸新聞の記事です。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201405/0006998052.shtml

男性は転倒して頭や脚の骨を折った上、後遺症で半身不随になるなどし、介護が必要になったという。
とりあえずメモ。

2014/05/23

ヘルメット着用の努力義務と過失相殺

自転車に乗るときは「ヘルメット」を着用すべし! そんな条例を弁護士はどう見る?(弁護士ドットコム)http://www.bengo4.com/topics/1544/

道路交通法上、自転車のヘルメットに言及があるのは、

(児童又は幼児を保護する責任のある者の遵守事項)
第六十三条の十一
 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
のみ。大人にヘルメット着用の(努力)義務を課する規定は、法律レベルでは存在しません。

他方で、上記記事で紹介されているように、各地方自治体が定める条例では、大人にもヘルメット着用の努力義務を課するものがちらほら見られます。

もっとも、これはあくまで「努力」義務であり、これに従わなかったからといって、現時点で直ちに不利益があるというものではありません。
上記記事の通り、過失相殺で考慮されるということも、今のところはないでしょう。

ちなみに、児童に対してヘルメットを着用させる努力義務との関係で、東京地裁平成25年10月3日判決は、次の通り判示しています。
原告X1が本件事故当時8歳であったことを勘案すると,原告X1が乗車用ヘルメットを着用していなかったこと(なお,道路交通法63条の10は,児童等を保護する責任のある者は児童等に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない旨規定しているが,違反に対する処罰規定はなく,努力目標を定めた規定に過ぎない。)や本件自転車が一時停止することなく,本件交差点に進入したことを考慮してもなお,過失相殺をすることは相当ではないというべきである。
しかし、逆に「努力義務である以上、過失相殺で考慮されることもない」と言い切ることもできません。今後の社会の変化によっては、考慮されることもあり得るでしょう。

2014/05/20

路側帯における左側通行の徹底の効果?


中日新聞 【静岡】 法改正から5カ月…自転車事故減少
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20140519/CK2014051902000050.html

路側帯逆走を導入する前の前年同期比で、車道逆走をする自転車の事故が約半減したとのこと。

確かに、逆走者の事故は、逆走する人の総数が減れば減少する関係にあることは間違いない。
他の地域ではどうなのでしょうか。

2014/05/12

無断の自転車通勤と懲戒処分

(2014/5/12 実際の懲戒処分の報道を追記)

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1401130018/

自転車通勤OKのJFEエンジ「全国でも数例」/横浜


この記事にもあるように、自転車通勤が制度化されている会社は、あまりありません。
都心であれば、ほとんどの事業者が、公共交通機関の利用を前提とした仕組みなのではないでしょうか。

もっとも、制度化するとすれば、自動車通勤同様の規定で概ね足りるようにも思えます。従業員が勝手に通勤費用の削減と健康増進に貢献してくれるわけで、メリットもある。
もちろん、駐輪場の確保や、酒気帯び運転その他違法行為をさせないという基本的な点は抑えなければなりません。

さて、今回のお題は、このような制度がなく、電車通勤と申告して通勤手当を受け取っていながら、実際には会社に内緒で自転車通勤を行い、定期券も買わずに手当だけ受け取っていたらどうなるか、という話です。

結論からいうと、このようなことを意図的に行った場合、通勤手当の不正受給(場合によっては詐取)とされ、懲戒事由に該当するとして処分を受ける可能性があります。

裁判例を見てみると、例えば通勤経路の変更や、転居があったにもかかわらず、過去の経路のまま比較的高額の通勤手当を受給する状態が長年続いたあとそれが発覚、というケースで、雇用主側が懲戒解雇や諭旨退職処分を行い、労働者側がそれを争うというケースがいくつか見られます。

ただし、懲戒事由に該当するとしても、懲戒解雇や諭旨退職という処分が相当かどうかは、事案次第。要するに、どれほど悪質かどうかという観点から判断されます。近時の判決では、
  • 東京地判平成25年1月25日労働判例1070号72頁
  • 東京地判平成18年2月7日労働判例911号85頁
が、労働者としての身分を剥奪する処分は重すぎるとして効力を否定した一方、
  • 東京地判平成11年11月30日労働判例777号36頁
は、虚偽の住所届出による不正受給額が4年間で230万円程度に及んだことや、ほぼ職務放棄状態だったことを考慮し、懲戒解雇を有効としました。

ただし、これは懲戒解雇や諭旨退職という「死刑判決」の話。それより軽い処分は有効とされる可能性は十分あります。

もちろん、平成11年判決のような事案と、無断の自転車通勤を比較すると、悪質さの度合いは全く違います。実際には、定期券すら買わない場合はあまり無く、晴天かつ飲み会がない日のみ自転車、そうでない日は電車という場合がほとんどでしょう。
まして、自転車通勤が制度化されていない場合、申し出て定期代を返上しようとすると、「やめなさい」と言われる可能性も高い。なかなか言い出しにくいというのが実情ではないかと思います。

とはいえ、上記のような懲戒処分のリスクを考えれば、面倒ではあるものの、上手く会社と交渉して制度化してもらうか、そうでなくても例外的に認めてもらうということが必要ではないかと思います。


2014/5/12追記

「バス通勤」申請し自転車で…高校教諭を減給

現にこのように減給処分を受けた事案が報道されています。

2014/05/07

一般的な自転車は、静止時は足をつかなければならないということの意味

補助輪付の自転車や三輪車は別ですが、普通の二輪式の自転車の場合、静止した場合には、足や手をつかなければ安定しません。

しかし、これを裏返しの視点から見れば、必ず手や足をどこかに付けることが要求されているため、静止時の不意な転倒等はほぼないことになります。

一般に二輪自転車は高速で走行するほど安定し、低速域では不安定。この最も不安定な静止時に足を着く必要があることは、かえって静止時の安全性に一役買っているとも言えるでしょう。

非現実的な想定ですが、仮に静止時に自動的にスタンドが出てくる自転車があった場合、これに頼った結果、不用意な体重移動でかえって転倒することがかえって増えるかもしれません。

現に、幼児用座席付の自転車では、スタンドの安定性を過信したことによる転倒事故は後を絶ちませんでした。

この結果、道路交通法において親+子供2人同乗を認めるにあたって定められた「幼児2人同乗用自転車に求められる要件」では、「駐輪時の転倒防止のための操作性及び安定性が確保されている」ことが要求されています。
最近では当たり前になった、がっちりしたスタンドを装備した自転車は、この規定に由来しています。

歩く動作で走る!? サドルもない新しい自転車「ウォーキングバイシクル」http://news.mynavi.jp/news/2014/05/07/131/

今日目にしたのは、こんな記事。

「ウォーキングバイシクル」という、歩く動作で走る電動アシスト自転車。なかなか面白いコンセプトの乗り物なのですが、記事中の次の下りが少し気になりました。
停車中も地面に足をつける必要もなく、発進時のふらつきも気にせず走ることができる。
上記の通り、停止中に地面に足をつけることが要求されていることは、車体の安定に一役かっているところです。

しかし、その必要がなく、この車体に乗りっぱなしとなると、三輪車とはいえ、かなり不安定なのではないか。
乗っている間は直立しているわけですから、重心もかなり高い。平坦地ならともかく、斜面の場合はどうなのでしょう。

上記のような観点からは、むしろ足をつくことを要求するほうがかえって安全のようにも思えます。

最低限、ブレーキについては通常と逆のフェイルセーフ設計・・・ブレーキ解除操作をしなければ自動的にブレーキがかかるようにする・・・をしたほうがよいのではないかと感じたのでした。

2014/05/01

不実表示によって惹起された錯誤()

虚偽広告「分別あれば信じない」 (1/2ページ)

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/140330/cpd1403302252003-n1.htm

ドーピングをしていたランス・アームストロング。
現役中にスポンサーをしていた栄養ドリンクを買った人から
「FRS社の虚偽広告により、同社の栄養ドリンクがアームストロング氏の優勝を支えた「秘密兵器」であるように思い込まされた」
との主張を受けるも、裁判所は、
「分別のある消費者なら、度重なる優勝がもっぱら健全な栄養ドリンクによってもたらされたものだと考えることはないだろう」
と述べ、このような主張は根拠にできないと説明。
しかし消費者側は突っ張ったため、請求はただちに棄却されたという記事。

日本でも同じような議論があります。
虚偽/誇大広告につられて買ったとしても、それが購入の意思決定に与えた影響が小さければ、それを理由とする売買の無効は主張できない(所謂、事実錯誤の要素性の問題・民法95条)。

結論としては当たり前のことですが、ちょっと笑ってしまいました。