2014/02/18

自転車"道交法"BOOK

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自転車“道交法
疋田 智 小林 成基
エイ出版社 (2014-02-12)
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NPO法人自転車活用推進研究会の著名なお二人による自転車の走り方に関するガイドブック。

内容面としては、実は前著である「自転車はここを走る!」とほとんど変わりません。状況の変化に合わせて改訂、タイトルも一般向けにインパクトがあるよう変更したというところでしょうか。

この本の特徴は、自転車の走り方を

  1. 法律(道交法)で定められた走り方
  2. 現実的に見える走り方
  3. 安全を担保した妥協案としての走り方(文言上はグレー又はブラックの可能性もある)
  4. ルールと道路整備を行った上での理想
に分けて、ケース毎に、走り方についての意見を述べているところ。

この区分からは、"道交法"BOOKというタイトルは、1のカテゴリに主に当てはまる話。
そこから若干逸脱するがより妥当と(筆者が)考えているな走り方や、政策論などが述べられているという意味で、「"道交法"BOOK」というタイトルより、従前通り「自転車はここを走る」の方が、キャラクターを適切に示していると思います。

内容面については大いに頷くところあり。(多重)左折レーンのデッドロック等、典型的な問題ケースが分かりやすく書かれており(当サークルの本より 笑)、是非お勧めしたいと考えています。買って損無し!


ただ、私自身は、道交法の規定を超えた、グレー又はブラックの可能性もある「妥協案としての走り方」については、若干の疑問があります。

例えば56ページに記載された、多重に左折レーンがあるY字路の走り方。右折するために、2レーンをまたいで右側に出る走り方が紹介されています。しかし、これは筆者も「グレー又はブラック」と認めるところ。おそらくブラックなんじゃないかと私は思っています。
このような場合、「あきらめる」というのがほとんどの人にとって正しいと考えています。

#全体的にみて、小林さんは保守的。疋田さんは結構チャレンジングな考え方を開陳されています。笑 「刑法上の緊急避難だ!」等はちょっと言い過ぎかと・・・

もう1つ指摘できるとすれば、この本は、刑事法又は行政法に対する対応という発想はあるものの、自らの行動が民事法上どう評価されるか、という点についての思考はあまり記載されていない気がします。
道交法上OKであり、行政上、刑事上はおとがめ無しでも、具体的な状況に照らせば、民事上の評価(例えば過失)は最悪、ということはありうるわけです。

上記56ページの例などで、この書き方に従って車に轢かれてしまった。このとき、当時の状況(例えばすごい混んでいた等)に照らすと、自らの行動はあまりに軽率だったとして、過失相殺(民法722条2項)により、得られる損害賠償額が大きく減額される可能性もある。

実際に走る際には、このように、刑事法又は行政法上「許されている」という発想だけでなく、民事法上「無茶をしていない」という評価を受けるかどうかは、極めて重要です。



ただ確実に同意できるのは、現行の道交法+道路整備のコンビが、自転車については破綻しているという点、それを前提にすると、上記4分類は、思考整理として非常に役立つと思います。

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